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一年の計は元旦にあり
2024年01月04日
中津市・宇佐市の学習塾、大學受験館カルタスです。
新年明けましておめでとうございます。旧年中に格別のお引き立てをいただきました皆様に厚く御礼申し上げるとともに、本年も益々のご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。また、これまでご縁のなかった保護者様・お子様方との新しい出会いを心より願っております。
さて、本日の記事は、日々の努力について。下の画像をご覧ください。
1を365乗しても1のままですが、求められる努力量を1だとすると、そこに0.01を加えた数、すなわち1.01の努力を積み重ねることがいかに大切なことであるかを、この等式は物語っています。逆に、たった0.01ではありますが、求められる努力量から減らされた努力量で365日を過ごすと、1年後には、0.01を毎日積み重ねた人とは天と地の差がついてしまうことがよく分かります。
この数値は極端な例ではありますが、物事の本質を捉えていると思います。そして、多くの場合、人間はサボるとき徹底的にサボるので、その日減らされる努力量は0.01どころの話ではありません。そもそもの努力量が「求められる水準=1」に達してもおらず、そこから0.01どころではない「サボり」を毎日のように繰り返すとどうなってしまうか?言うまでもないでしょう。
生徒には、自分にとっての「努力量1」がどれくらいなのかをしっかり考えて日々意識してほしいと思います。
学校の定期考査で言うと、30点しか取れない生徒と、70点取る生徒では、求められる努力量1は同じではありません。なぜなら、目標が全く違うからです。30点から50点にUPさせるための努力と70点から90点にUPさせるための努力は、点数上は同じ20点分でも内容は違います。もちろん、客観的な難易度は、70点→90点のほうが高いことは納得できますよね?すでに70点は取れるということは、その生徒はそれなりの努力の蓄積を経ているわけで、それでも得点しきれない30点分のうちの20点をさらに埋めていく努力をしなくてはならないのですから。一方で、30点→50点を目指す場合は、得点できていない70点のうちから20点を埋めていく努力をすることになりますが、極論、70点中の50点はとりあえずできなくてもよいということになります。現状の学力差に加えて、加点できる余地の大小も違うという観点を持って、自分の成績を見てほしいと思います。
ここまで拙文を読んでくれた人はお気づきだと思いますが、大切なのは、「毎日努力を積み上げることへのモチベーション=目標」です。成績が伸び悩む生徒の多くが、目標設定ができていないor目標ではなくただの希望的観測や願望になってしまっています。
例えば、ある生徒が英語の成績を上げたいと思ったとします。その生徒が「英語ができるようになりたいので、英語の勉強を頑張ります」と言ったとします。ここで注意したいのは、2つ。①「できるようになる」とは具体的にどうなることなのか。数値化するとどれくらいか。②「頑張ります」とは何を頑張るのか。どのように頑張るのか。どれくらい頑張るのか。この①②を尋ねると、途端に口数が少なくなる生徒は少なくありません。深く考えずに、漠然となりたい理想像だけを夢想するのは「目標設定」ではないし、自分でもよく分かっていないゴール?に向かって毎日コツコツ努力するなんて事実上不可能に近いでしょう。友だちよりも成績が悪かったから、あこがれの職業を見つけたから、etc…。学習に向かう最初の動機としては十分ですが、努力を継続するには、もっと詳細な目標設定が必要です。
まずは、大目標・中目標・小目標を書き出してみましょう。中目標(1年くらいのスパン)を達成するために必要だと考えて設定することになる小目標(1週間~最長3ヶ月くらいのスパン)が最も重要です。4月に高2になる生徒で例を考えてみると・・・
大目標・・・○○大学△△学部合格 中目標・・・高2終了時点で英語の進研模試偏差値65以上
小目標
①4月~6月の3ヶ月間、毎日英単語50個(単語帳の単語番号1~600を順番に)を1回につき5周音読(帰宅後に1回、夕食後に1回、寝る前に1回)。5周のうち最低2周は音源を聞きながら発音をまねる。
②4月~6月で特定の文法単元を週替わりで週3日復習(火曜日+木曜日+土曜日。4月1週目「文型」「文の種類」「基本時制」、2週目「完了形」「助動詞」「受動態」、3週目「不定詞」「動名詞」「分詞」、4週目「文型」「文の種類」「基本時制」・・・以下同様に6月4週目までサイクルを回す)
③毎日学校の教科書の文章をLesson1個分、単語と同じタイミングで3周読む。音読も。
④・・・以下省略・・・
何を、どうやって、どれくらい頑張るのかを本気で考えたら、するべきことはこのように具体化されます。最初のうちはうまく具体化できないこともあるでしょうが、その場合は、学校教員でも塾講師でも、信用できる人にアドバイスを求めればいいと思います。最初は試行錯誤でも、自分なりの小目標を達成していく中で少しでも成果を感じられたら、それが強力なモチベーションになります。すぐにそうはうまくいかなくても、どう勉強したら効率がいいか、うまくいきそうかを少しずつ自分で考えるようになっていきます。つまり、「教師から怒られる」のような何らかのペナルティがあるから嫌々する(外発的動機付け)、ではなく、学習に対して自発的に意識を向けるようになっていく(内発的動機付け)わけです。
そして、試行錯誤して苦労して得た自信は一生ものです。たしかに、社会に出てからはほとんどの人が英語の長文を読解したり文法問題を解くことも、白玉と黒玉を特定の条件で引くときの確率を求めたり複雑な微分積分の計算をすることもなくなりますが、どのような職業に就くにせよ、それらをどのように学んだかがモノをいうときが必ず来ます。
「ワンチャンいければ」みたいな姿勢では到底達成できない志望大学を大目標(?)に掲げているわりに、ほとんど毎日努力量1に+αするどころか大幅に下回っている生徒、少なくありません。努力する覚悟があるなら「現状の実力に比べて高望み」は全然OKです。むしろ、それは相当な努力量を要求する目標設定なので、努力するモチベーションになりえます。問題は、大して努力する気もないのに、教師や親から言われるままに、あるいは、浅薄なブランド志向で高い目標(?)を持つことです。「ダメならダメで別に自分は気にしないけど」、なら、初めから目標設定が間違っています。絶対に達成するんだ、達成しないとダメだ!と心から思えるような目標を設定しましょう。心の中では叶わなくても別にいいと考えているような大目標から、いったいどんな中目標・小目標を逆算できるのでしょうか?そして、誰がそれを一生懸命クリアーしようとするでしょうか?
一年の計は元旦にあり。新年を迎えたこのタイミングで、あなたの学習面(進路面)での目標設定をしませんか?そして、1月~3月末までの、学年末までの学習上の小目標を書き出してみましょう。まずは、1教科からでもいいでしょう。確実に新たなステージへと一歩を踏み出すスタートになります!
大學受験館カルタス 山本